純文学

何もかも憂鬱な夜に/中村文則_心の深い闇はどこからくるのか?

『何もかも憂鬱な夜に』(中村文則/集英社文庫)の読書感想文です。憂鬱を抱える刑務官の「僕」。死刑囚。自殺した親友。大切な恩師。人間の内面に深く切り込んだ傑作。あらすじと感想・考察(ややネタバレ)を書きます。

『何もかも憂鬱な夜に』のあらすじ

あらすじ

施設で育った刑務官の「僕」は、20歳の死刑囚・山井を担当する。「僕」は学生時代から、自殺した親友・真下と同じく混沌とした自身の内面に苦しむ。大切な恩師のように、希望を与えられる人になりたい。その一方、山井にシンパシーを感じる「僕」。この憂鬱に答えはあるのだろうか?
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『何もかも憂鬱な夜に』の感想と考察(ややネタバレ)

モロケン
『何もかも憂鬱な夜に』の感想文を書きます。ネタバレが嫌だよって人はコチラまで、進んでね!

お前は俺に似てる、と真下は僕に言い続けた。お前は俺に似てる。すごく似てる。だから、ただじゃ済まない。ただじゃ済まないよ。

「僕」の憂鬱

「僕」は、憂鬱に怯える。

自分も山井と同じ種の人間なのではないだろうか?

死んでいった真下は、「お前は俺に似てる」と繰り返した。
自分は、暗く冷え切ったそっち側にいるべきでは?

人間は、陽と陰に分けることができるのではないでしょうか?

僕は、たまにそう感じます。
そして、自分は陰に属すと散々、思い知らされました。

ただ、それに優劣があるわけではないでしょう。
ただ、異なる」それだけのことだと。

主人公の憂鬱を僕が共感できるかというと、そうではありません。
陰にも種類があります

僕たちは、それを抱えてごまかしながら、生きていくしかありません。
そんな深い闇の話。

死刑制度について

僕は死刑制度に賛成です。

「死」をそれほど重要なことだと、捉えていないからです。
つまり、死はもっとカジュアルでもいいと思う。

以前、死刑囚の絵を飾った展覧会に、足を運んだことがあります。
そこで感じたことは、死刑囚と僕たちの間に明確な境があるわけではないこと。

彼らは、少し掛け違えただけです。

彼らを特別視することは、ある種の差別ではないでしょうか?
例外はありますが、彼らは普通の心を持っている、ということを忘れてはならないと思います。

それを踏まえた上で、死刑は是であると主張したいです。
生まれ変わったら、もっと生きやすい心に出会えることを信じて

素晴らしい芸術を味わうこと

主人公の恩師は、たくさんの芸術とその芸術の素晴らしさを教えてくれた。

これほど素晴らしい芸術があるのだから、それを享受しないことは、人生にとって損失だと。

僕も、昔から芸術に救われてきた。

主人公と同じように、芸術の素晴らしさを、発信できる人になりたいです。

『何もかも憂鬱な夜に』はこんな人におすすめ!

モロケン
芸術が心から大好き!

自分の心に闇があると感じている⋯。
文学青年

サブカル
人間の内面をもっと掘り下げて考えたい。


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あとがき:何もかも憂鬱な夜に

『何もかも憂鬱な夜に』(中村文則/集英社文庫)の読書感想文でした。
人間の心の闇を掘り下げた、興味深い作品でした。

中村文則の作品を読んだことがない人でも、
十分楽しめる要素があったと思います。

未読の方はぜひご一読を。

モロケン
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