乙一

● 『夏と花火と私の死体』

投稿日:2017年5月12日 更新日:

はじめに

 今回、感想を書く本は、乙一さんのデビュー作『夏と花火と私の死体』です!

 以前、友達から紹介されて読んだ本ですが、内容が非常に衝撃的で、かなりショックを受けた作品です。

 一応、夏がテーマということで、夏みたいに暑い今日、無性に、読み返したくなりました。

『夏と花火と私の死体』

あらすじ

 

 九歳の夏休み、少女は殺された。

 あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなくー。

 こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。

 次々に訪れる危機。

 彼らは大人たちの追求から逃れることができるのか?

 死体をどこへ隠せばいいのか?

 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作。(巻末より)

感想

最後に、踏み台にしていた大きな石の上に背中から落ちて、わたしは死んだ。

 この作品は、タイトルからわかる通り、主人公の少女・五月が冒頭でいきなり死んでしまいます

 「え、もう死んじゃうの?」と、あまりに唐突な展開に驚きを隠せませんでした。

 しかし、それはまだ序の口でした。

 なんと、友人であった子供たちは、大人にその事を知らせることはせずに、五月の死体を隠すために奔走するのです。

 これは、すごいストーリーだなと思いました。

 
 
 さらに、面白いと感じた点は、物語が、死体となった「一人称」の五月の視点から語られているということです。

 普通は、死体が喋ったり、考えたりすることは、ありえませんよね。

 そのようなありえない状況が、あたかも、当たり前であるかのように、淡々と描かれているのが、この作品の文体の大きな特徴だと思います。

 
 
 この作品が発表された当時は、あまり有名な言葉じゃなかったでしょうが、近年、聞く機会が増えてきたように思える「サイコパス」という言葉があります。

 サイコパスの定義は、意見が分かれるかと思いますが、大雑把に言うと、「反社会的行為を良心の呵責なしに行う人間の総称」といったところでしょうか。

 この話でいうと、健くんという少年はまさに「サイコパス」と呼ぶにふさわしい人格です。

 その、サイコパスっぷりは、非日常な物語を日常の物語であるかのように見せることに一役買ってます。

 健くんの感情に注目して作品を読むのもいいかもしれません。

 きっと、幼い身体に秘められた狂気を感じることができますよ。

 
 
 総評すると、ごく短い物語であるにも関わらず、内容が非常に濃く、ストーリー構成も巧みで、結末を知りたいような知りたくないような話でした。

こんな人にオススメ!

  • 夏の怪談のようにぞくぞくする話を読みたい人
  • 一風変わった文体を楽しみたい人
  • 少ない時間で、内容が面白い本を読みたい人
  • 「サイコパス」に興味がある人

オススメ本を紹介

 今回は、「サイコパス」という言葉に注目したオススメ本を紹介したいと思います。

あとがき

 今回は、『夏と花火と私の死体』(乙一)について感想を書きました。

 デビュー当時は17歳だったこともあり、非常に注目を浴びた作品のようです。

 乙一さんは、他の作品も読んだことありますが、どれも面白いです。

 興味がある方はぜひぜひ読んでみてくださいね^^

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