綿矢りさ

▲ 『インストール』

投稿日:2017年4月6日 更新日:

はじめに

 今回は芥川賞受賞作家である綿矢りささんのデビュー作『インストール』(2001 河出書房新社)について感想を書きたいと思います。

 綿矢りささんの言語に関するセンスや緻密な作品構成はとても素晴らしく、本作は再読になりますが、感想を書きたいと思います。

 やはり、『蹴りたい背中』から綿矢りささんにはいる方は多いと思うので、そのルーツを辿る意味でも本作を読むことの意義はあると思います。

『インストール』

あらすじ

 高校三年生の朝子は、通学と受験勉強をやめて、母親に隠れ、登校拒否になります。

 その勢いで部屋の中の家具をすべて捨てました。

 その時の様子を見ていた、同じマンションに住んでいる小学生のかずよしは、朝子の家具から古いコンピューターを見つけ、貰い受けることになります。

 そして、かずよしからコンピューターを使って、仕事をやりませんかと提案され、朝子は戸惑いながらも興味がまさり、快諾します。

 その仕事の内容とは—。

感想

 この作品のテーマは「成長」です。

 朝子はかずよしと出会い、仕事をすることによって、再び高校生活を始めようと前向きになれました。

 逆もまたしかり、かずよしも義理の母である青木さんに対して感じていた違和感・遠慮などを捨てて、自分の母親として、彼女をみることができるようになる予兆が記されています。

 この「成長」で重要なことは、他者との出会いです。
 
 
 これは僕の意見ですが、人間は他者との出会いがない限り、成長することができません

 これは、僕が学生時代に強く意識していたことであり、実践していたことです。

 理由は、正論と正解は違うからです。

 つまり、成否は他者依存なのです。

 そのことを知らなかった僕は一時期かなり独りよがりで、くすぶっていました。

 しかし、このことに気づいてからは、あらゆることに積極的になり、新しい「出会い」を求めて奔走しました。

 
 朝子とかずよしのゴミ捨て場での「出会い」は全くの偶然ですが、前提として、朝子が家具を捨てようとしなければ、かずよしが朝子に声をかけることをしなければ、その出会いはそもそも起こり得なかったことなのです。
 
 つまり、双方の能動的な態度によって、この「出会い」が成立したとも言えます。

 こういう、小さなアクションでいいから、何かに対して、能動的な態度をとっていく、そのことが作者が最も伝えたかったことなのではないでしょうか。

まとめ

  • 朝子とかずよしはお互いが出会い、協調することで、成長することができた
  • 良い「出会い」が生まれるためには、些細でも能動的な行動をとっていくことが大事

あとがき

 今回は、綿矢りささんのデビュー作である『インストール』について、感想を書きました。

 この本が出版した当時、綿矢りささんは17歳だったんですよね…僕は17歳に何をしていただろう…多分、猛烈に勉強していました。

 それから、芥川賞をとった時のことは鮮明に覚えているのですが、14年前だとは…。

 時がたつのは早いですね笑

 『蹴りたい背中』で綿矢りささんを好きになった方も、読んだことないよって方も、気軽にさくっと読める作品なので、おすすめです!ぜひぜひチェックしてみてください!^^

-綿矢りさ
-, , , , ,

Copyright© 積ん読と感想わ , 2019 All Rights Reserved.