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● 【書評】『阪急電車』(有川浩)のあらすじと感想文

モロケン

未経験からフリーライターとして独立、起業。日給500円から始めて今では1記事5万円も珍しくない。いつまでも純粋さを大切にしたい。

『阪急電車』(有川浩)の読書感想文です。

とても心がほっこりする作品です。

有川浩さんの作品は、過去にたくさん読んだことありますが、この作品はその中でもかなりランキング上位です

ところで、有川浩さんって男性と間違われる方が多いみたいですね。素敵な女性ですよ。

※ほぼネタバレ無し

『阪急電車』のあらすじ

席に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車ーーー人数分のドラマを載せた電車はどこまでも続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長編小説。

『阪急電車』の書評/感想

「阪急電車」を読んで、まず始めに思ったことは

  1. よくこんなに少ないページ数にこれだけのドラマを詰め込めたな
  2. それぞれの話が単体で完結するのでなく、複雑に絡み合って相乗効果を生み出している
  3. であるのに、物語はとてもシンプルで読みやすい

ということでした。

次にいいなと思ったことは、これが同世代同士の話ではなく世代間を超えて紡がれている物語だという点です。

青年、OL、おばあちゃん、小学生、女子高生、大学生…様々な登場人物がこの話には登場しますが、それぞれ何かをきっかけとして、コミュニケーションが生まれ、相互に影響を与えている。これは、世代間のコミュニケーションが不足している現在の日本の光景とは、かけ離れた日常だと思いました。

つまり、それが読者にとって、新鮮味があり、面白さにつながっているという、有川浩さんの構想力はすごいと思いました。

あとやっぱり思ったところは、有川浩さんは恋心を描くのがうまいなと。

それが、女性でも男性でも、内面を鮮やかに言葉にあらわしていて、時には、見てるこっちが照れてしまうような、そんな淡い気持ち。

それが、この物語でも数多く見られて、とても素敵だなと思いました。

どうして、有川浩さんはこんなに心情表現が上手いんですかね?

きっと、人よりも言語センスが優れていることは勿論、他の人の気持ちを察する想像力や繊細さが人並みはずれているのではないかと思います。

それは、彼女の最大の武器であると僕は思います。

電車の中って、みなさんは何してますか?

ゲーム、音楽を聴く、映画を観る、本を読む、寝る、ぼーっとする、いろんな時間の使い方があると思いますが、近頃はみんなスマホを操作している人が多いですね。

ガラケーだったころは、そこまでみんな携帯いじってた記憶はないんですけど、やっぱりスマホってできることが多いからですかね。

僕、そういう時、たまに息苦しく感じちゃうことがあるんです

例えば、今日は疲れたから電車の中ではのんびり座って外の景色でも眺めていたいなと思っていても、周りの人はみんなスマホいじっていて、僕だけ正面の窓を見ていると、チラっチラっと、他の人の視線がささるんですね。

無言の同調圧力

あの空気感は少し不気味で、ちょっと苦手です。

ですので、電車の中というのは、僕にとって、あまりいい場所ではないのです。

そんなこともあって、この「阪急電車」から生まれる素敵な展開の数々はとても眩しく感じられました。

明日から電車乗ったらなんかいいことないかなっ…そんな未来にちょっと期待してしまう一冊です。

『阪急電車』はこんな人にオススメ!

こんな人にオススメ!

  • 読後感がさわやかな本を読みたい人
  • 一日で一気に読める面白い本を探してる人
  • 有川浩さんの恋の話、好きだよって人

『阪急電車』を読んで⋯。

『阪急電車』(有川浩)の感想を書きました。

読みやすくて面白くて一気に読める本なので、気になった方はぜひぶらり本屋に立ち寄り、一気に読了してみてください。

◆有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県高知市生まれ。
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モロケン

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