ミステリー

【感想・書評】『いなくなれ、群青』(河野裕)_僕の目に映った、もっとも綺麗なものだった

『いなくなれ、群青』(河野 裕)をゆるっと書評します。

王国/中村文則_運命を照らす月の光をナイフで切り裂く

美しき娼婦・鹿島ユリカの仕事は、社会的要人にハニー・トラップをしかけ、弱みを人工的に作り上げること。彼女は、親友の子供である翔太の難病の治療費を稼ぐために闇の世界に立ち入った。美貌を持つ彼女は、正体不明の組織に属する矢田から請負った仕事を完璧にこなしていた。しかしある日、彼女の運命を大きく左右する男と出会う。彼の名は、木崎。闇の世界を牛耳る木崎と矢田の利害の衝突により、命を狙われるユリカのスリリングな逃亡劇を描いた作品。

掏摸/中村文則_人間は運命に抗うことができるか?

主人公の男・西村は、東京でスリを生業とする。彼のスリの技術は超一級で、孤独だが不思議な平穏の元、日々を暮らしていた。ところがある日、「木崎」という闇世界の住人と出会ってしまう。木崎に存在を知られたものは皆、掌で踊らされ悲痛な結末が待っている。西村は、自身の「運命」に光を見出すことができるのかーー?

●私に似た人/貫井徳郎_社会的弱者に残された選択肢とは何か?

「小口テロ」という小規模テロが頻発する日本。テロを起こした犯人は、自らをレジスタントと称する。各章により、キャラクターが入れ替わって、多面的に「小口テロ」という現象を、捉えることができる。

去年の冬、きみと別れ/中村文則_芸術に狂う者が一線を越える瞬間

「去年の冬、きみと別れ」は、ライターの”僕”が、死刑囚である木原坂雄大(カメラマン)の起こした猟奇殺人事件(女性2名を焼き殺す)を、本にするために、関係者に取材をおこなうという設定で進行します。雄大の姉・朱里、”K2″のメンバー、人形師の男…。本人が気づいていない真の欲望と、人がその「一線」を越えてしまう「瞬間」と、その「領域」にまつわる物語です。

迷宮/中村文則_あまりにも美しい猟奇的殺人事件

日置事件(通称:折鶴事件)は、1988年に東京都練馬区の民家で発生しました。日置剛史(45)、妻の由利(39)、そして長男(15)の3名が殺害され、長女(12)だけが生き残ります。殺人現場は、遺体を囲むように312個の折鶴が色鮮やかに配置されていました。弁護士事務所で働く新見は、この殺人事件の唯一の生存者である紗奈江と、偶然知り合い、関係を持ちます。そして、折鶴事件の真相を確かめるため、奔走します。そこで明らかになる真実と新見の抱える心の闇の行方はー?

■ 【書評】『紫のアリス』(柴田よしき)_迷宮のようなあやふやな物語

会社を辞めた紗季が、夜の公園で見たのは、変死体と「不思議の国のアリス」のウサギ。 その日を境に、紗季のまわりでは、次々と不思議な事件が起きる。 古びたマンションに引っ越した紗季は、世話好きな老人・菊子と仲良くなる。 事件解決のため、奔走する二人だが、なかなか全貌を掴むことができない。 紗季は次第に自分の正気を疑うと同時に、記憶の違和感を感じ始める。 不思議の迷宮に彷徨いこんだ紗季に訪れる衝撃の結末とはーー?

● 【書評】『暗いところで待ち合わせ』から「乙一」の作風を考察する

※本記事はネタバレなしです 暗いところで待ち合わせ 乙一. 表紙の絵からしてインパクト大な作品ですよね。 ちょっと怖いですもん笑 きっと、不気味だけど面白いだろうなーっと、直感して、購入しました! あらすじと感想です。

■【書評】『そして、アリスはいなくなった』(ひずき優)_ネットアイドルの引退にまつわるさまざまな謎の正体とは?

伝説のネットアイドル・小鳥遊(たかなし)アリスは、ある日、突然引退してしまう。 謎の多い彼女の正体を暴こうとした者は多いが、確たる事実は掴めないまま。 そんな中、新聞部・響子は、IT教室にてアリスの未発表動画を見つける。 文化祭で彼女の正体を暴くべく取材を進める中、四人の同級生ー文化祭実行委員の歩、アリスだと噂されたことのあるみのり、歩の彼女・梨緒、歩相手に暴力沙汰を起こした弾ーの複雑な関係と、アリスへの関わりに気づく。アリスの正体とは?

■【書評】『世界が赫に染まる日に』(櫛木理宇)が問う私刑の是非と邪眼の正体

ここは夜の公園。 中学3年生・緒方櫂(カイ)は、同級生の高橋文稀(フミキ)と話していた。体育会系のカイと友達がいないフミキに接点はなかった。だが、フミキから15歳の誕生日に自殺する話を聞いたカイは「じゃあ、それまで、俺を手伝えよ」と、とある復讐の話をする。 その復讐とは、カイの従兄妹の未来を奪った加害者に対する私刑であった。 二つ返事で承諾したフミキ。 二人の間には、不思議な契約関係が生まれる。 「じゃあ、予行演習をするべきだね」というフミキの言葉から、本番まで、少年法で守られている犯罪者たちに対する私刑を決行することに。 そこから、この赫に染まる復讐劇が始まった。

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