
モロケン
江國香織の『落下する夕方』の読書感想文です!
何というか⋯⋯「恋愛」と「狂気」って紙一重だね。

サブカル

モロケン
うん⋯登場人物の華子のカリスマ性もすごいね。味わいのある作品。
『落下する夕方』のあらすじ
あらすじ
梨果と8年同性していた健吾が突然、家を出た。それと入れ替わるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。すると華子を追って健吾も梨果のもとへ来るようになり…。逃げることも、攻めることもできない奇妙な三角関係。そして愛しきることも、憎みきることもできない人たち…。永遠に続く日常を温かで切ない感性描いた、恋愛小説の新しい波
『落下する夕方』の感想文

モロケン
『落下する夕方』の感想文を書きます。ネタバレが嫌だよって人はコチラまで、進んでね!
読みどころ
- カリスマ的な魅力を持つ華子の苦悩
- 「恋愛」と「執着」を隔てるモノは?
カリスマ的な魅力を持つ華子の苦悩
ある日、突然やってきた華子。
彼女は、どこにいっても自然にふるまい、周りの人を惹きつけて、「愛情」を得ることができます。
しかし、彼女が求めているものは「愛情」ではありません。
おそらく華子は、自分でも自分が何を求めているのか、わからなかったのではないでしょうか。
華子は、さまざまな形で愛を受け取りますが、それに応じることができません。
彼女にできる唯一のことは、相手を傷つける前に姿を消すことだけだったのかもしれません。
華子の苦悩を本当に理解できる人は、いなかったのです。
このような華子の危うさに、人は興味を覚えるのではないでしょうか。
「恋愛」と「執着」を隔てるモノは?
「恋愛」と「執着」の関係性について考察します。
執着は「依存」と置き換えられるかもしれません。
私は、恋愛と執着はコインの表裏のようなものだと考えています。
「共依存」ってそんなに悪いことでしょうか?
共依存するほど、相手を思うことは素晴らしいと思います。
きっと、親が子供を想う気持ちのように大切です。
しかし、一方的な執着はいけませんね。
下手すれば、犯罪です。
相手の気持ちは、尊重する必要があります。
「落下する夕方」の中には、さまざまな執着が存在します。
そのような気持ちは、とても人間らしく愛おしいものだと思います。
『落下する夕方』はこんな人におすすめ

モロケン
純度100%の恋愛小説を読みたい!
江國香織の世界観を味わいたい⋯。

文学青年

サブカル
個性的な人に魅力を感じる。
角川書店(1999/6/1)
あとがき:落下する夕方
『落下する夕方』(江國香織)の読書感想文でした。「華子」というキャラクターを想像の世界で生み出せる著者は、ずば抜けて豊かな発想力を持っていると思います。江國香織の作品はどれも読み応えがあるので、他の作品も記事にしていきます。