『そして、アリスはいなくなった』(ひずき優)の読書感想文です。表紙がすごく綺麗な作品で思わず手にとってしまいました。 佐原ミズさんがイラストを担当しています。 内容も良質なエンターテインメント。あらすじと感想・考察(ネタバレなし)を書きます。
『そして、アリスはいなくなった』のあらすじ
『そして、アリスはいなくなった』の感想・考察(ネタバレなし)
「そして、アリスはいなくなった」で重要な人物はあらすじで述べた4人 + 響子 + 1人(これは誰でしょう?)です。 とりあえず、登場人物は、ハイスペックです。 金持ちで学年一位で美少年みたいな設定。 これが、最初は「うーむ、全く共感できない⋯⋯」と思っていたんですが(笑) 話に引き込まれていくと同時に、それらはあまり気にならなくなり、むしろみんな闇を抱えていることを知り、段々と愛着を持てるようになりました。
少しネタバレすると、上であげた4人(歩、みのり、梨緒、弾)は、アリスの活動に大きく関わっています。 そして、アリスが引退に追い込まれたのは、ある特定のアンチによるものと、4人の関係性の崩壊が原因でした。 うまくいっている時の高揚感と、低迷している時の焦燥感、このあたりの心理描写が非常にうまく描かれているなと感心しました。
ネット社会におけるアンチの存在というのは、恐ろしいなとつくづく思います。 だれかが突出すれば、必ず叩かれ、その叩かれ方も陰湿なやり方が多いです。 「モチベーションはどこから湧いてくるのだろう?」 「それは、純粋な悪意によるものなのか?」 それらの疑問に対する答えも、作品の中で示唆されているので、その点にも注目してみてください。
まとめると、このお話は、テーマ性云々じゃなく、ストーリーと心理的な駆け引きが、とても上手に描かれているので、純粋な気持ちで読み進めて行けば、きっと楽しく読める作品になってると思います。
『そして、アリスはいなくなった』はこんな人におすすめ
- ストーリーが面白くてスイスイ進む本を読みたい人
- ネットアイドルという存在に興味がある人
- 思春期に特有の複雑な人間関係に好奇心がある人
あとがき:そして、アリスはいなくなった
『そして、アリスはいなくなった』(ひずき優)の読書感想文でした。最初はなかなか共感できなかったお話が、最後読み終わった時に清々しい気持ちに、変わっていました。 そのような変化は、どのタイミングに起こったのかな?いずれにしても、面白い作品でした。