日常・青春・恋愛

麦本三歩の好きなもの/住野よる_あなたの歩く先を照らす光になる

2020年1月23日

麦本三歩の好きなもの』(住野よる/幻冬者) の読書感想文です。大学の図書館で働く天然系20代女子麦本三歩(むぎもとさんぽ)のほのぼのとした日常を描いています。あらすじと感想・考察(ややネタバレ)を書きます。

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『麦本三歩の好きなもの』のあらすじ

あらすじ

大学の図書館で働く天然系女子「麦本三歩」。職場の3人の先輩を「優しい先輩」「怖い先輩」「おかしい先輩」と脳内で呼んでいて、和気藹々と働いている。ぼけーっとしている三歩は、何も考えずに生きているようにみえる。しかし実際には、人並み以上に気持ちに対して繊細だったりする。そんな愛らしく憎めない三歩の、のほほんとした日常を大切に紡いだ作品。

『麦本散歩の好きなもの』には12のエピソードがあるよ!

12のエピソードのタイトルと面白さの評価はこんな感じ。

麦本散歩は「歩くの」が好き
麦本散歩は「図書館」が好き
麦本散歩は「ワンポイント」が好き
麦本散歩は「年上」が好き
麦本散歩は「ライム」が好き
麦本散歩は「生クリーム」が好き
麦本散歩は「」が好き
麦本散歩は「ブルボン」が好き
麦本散歩は「魔女宅」が好き
麦本散歩は「ファンサービス」が好き 
麦本散歩は「モントレー」が好き
麦本散歩は「今日」が好き

『麦本三歩の好きなもの』の感想文

読みどころ

  • 人の心に本当に寄り添うということ
  • 最初は『麦本三歩の好きなもの』は面白くないと思った
  • 恋愛も謎解きもいいけど日常を後押しする小説も◎
『麦本三歩の好きなもの』の感想文を書きます。ネタバレが嫌だよって人はコチラまで、進んでね!

人の心に本当に寄り添うということ

「君の辛さは、私には分からない。だから、もし、本当にもう何もかも耐えられないと思ったら、死んでもいい。止められない。死んじゃ駄目なんて、君の辛さが分からない私には決められない。君の人生だから」

引用麦本散歩は君が好き p144より

仕事で上手くいかず、自殺しようとしたけど失敗した、と告白した友人への三歩の言葉。

死んでもいいよ」ということが不謹慎だと思う人もいるかもしれないですね。

でも、大切な友人に「死にたい」と打ち明けるほど追い詰められた人間の心の傷を想像することはできますか?

僕は昔、希死念慮が酷くて、ためらい傷をたくさん作っていました。

ある日、どうしようもないほど絶望的な気持ちになったとき、ずっと仲良くしていたTwitterで知り合った友人に思い切って、悩みを打ち明けました。

そのとき言われたことは、「私に相談するな。病院に行け」でした。

この言葉で、どれだけ僕が傷ついたことか。

そんな杓子定規的なことを言われたかったんじゃない。

三歩はもちろん、その場にふさわしいことを言えたはずです。

でも友人の心に本当に寄り添ったから、「死んでもいいよ」と言ったのです。

僕は、三歩の友人にとって、それは救いになったのではないかと思います。

自分のために一生懸命に考えて伝えてくれた言葉だとわかるから。

最初は『麦本三歩の好きなもの』は面白くないと思った

僕は、住野よるのファンで全作品を読んでいます。

どの作品もとても面白く読み進むてが止まらなくて一気に読破がデフォでした。

しかしながら、『麦本三歩の好きなもの』を読み始めたとき、本を開いているのが苦痛でした。

天然女子のゆるふわ思考を延々と見せられ続けるのかと思ったからです。

でも読み進めるうちに、だんだん三歩の心情がどんどんみえてきて、気付いたら夢中になりました。

普通だったら、無意識で過ぎ去る思考の一つ一つを、住野よるは『麦本三歩の好きなもの』で言語化しました。

「あのですね、この子は、あなたのことが大好きなんです。喧嘩もするし、イラッとすることもお互いにあるかも。でも、先生もこの子のことが大好きになると思います。天才と呼ばれるあなたはきっと、私が全部は共感してあげられない、この子の心の、かけらみたいなものを理解してあげられる人です。だからどうか、この子のこと、よろしくお願いします。この子の、親友からのお願いです」

引用麦本散歩はファンサービスが好き p220より

著名な小説家と仕事をしている親友と温泉旅行に行き、彼女が眠りについた後、三歩がスマホの画面に表示された小説家に対してこっそりと呟くシーンです。

親友のことを自分では完全に理解できないから、他の人にそれを託す三歩は、ただただ親友の幸せだけを考えています

こんなことを言語化できる三歩の心は優しさに満ち溢れていると、感動しました。

恋愛も謎解きもいいけど日常を後押しする小説も◎

今日も前に進んでいなくちゃ、今日これから起こる楽しいことを味わえない。

引用麦本三歩は今日が好き p288より

住野よるは、本当に多才です。

『麦本三歩の好きなもの』は6作目の小説ですが、それぞれの作品で描くテーマが随分と異なります。

『麦本三歩の好きなもの』は、劇的な出来事は起こりません。

三歩を取り巻く平和な日常を、優しい言葉で紡いだ本です。

日本で生きている人たちのほとんどは、日々変わらない世界に生きています。

平凡で退屈な、ときどき喜んだり、悲しんだりする、暮らしです。

だからこそ、「日常って悪くないよね」という『麦本三歩の好きなもの』のメッセージは多くの読者に届くのではないでしょうか。

僕も、三歩みたいに些細なことに幸せを感じて、大切にして、日常を前を向いて歩こうと思いました。

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『麦本三歩の好きなもの』はこんな人におすすめ!

ジャケットの雰囲気がどストライクすぎる!

日常って変わりばえなくってつまらないな⋯。

辛いことあったから、前向きになれる本ないかな?


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あとがき:麦本三歩の好きなもの

麦本三歩の好きなもの』(住野よる/幻冬者) の読書感想文でした。

最初はちょっと微妙だなっと思うかもしれませんが、読み進めると感動があるはずです。

ぜひ読んでみてくださいね。

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1

大学の図書館で働く天然系女子「麦本三歩」。職場の3人の先輩を「優しい先輩」「怖い先輩」「おかしい先輩」と脳内で呼んでいて、和気藹々と働いている。ぼけーっとしている三歩は、何も考えずに生きているようにみえる。しかし実際には、人並み以上に気持ちに対して繊細だったりする。そんな愛らしく憎めない三歩の、のほほんとした日常を大切に紡いだ作品。

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