日常・青春・恋愛

■【書評】『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』(沖田円)から滲み出る優しさに涙

2017年4月15日

『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』(沖田円)の読書感想文です。スターツ出版文庫は、ゆるふわイラストでジャケットが描かれているので、つい手を伸ばしたくなります。少し悲しい青春小説でした。あらすじと感想・考察(ややネタバレ)を書きます。

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『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』のあらすじ

両親の不仲に思いやなむ高校生のセイは、ある日、カメラを持った不思議な少年、ハナに出会います。ハナの記憶は1日しか持ちません。セイはそのことを知りつつも、はじめはハナのマイペースに翻弄されていましたが、次第に、ハナとの距離を縮めていき、恋心を抱きます。別々の問題を持った2人は、どうやってそれらに立ち向かっていくのでしょう。その結末とはーー。涙を流さずにはいられません。

『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』の感想と考察(ややネタバレ)

『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』の感想と考察を書きます。ネタバレが嫌だよって人はコチラまで、進んでください。

 「ハナの記憶は一日しか持たない」。

 そのような設定を取り上げたのは、この作品が最初ではないし、それ自体に目新しさがあるとは言えません。

 それでは、何が、この作品を魅力的にしているのでしょう。僕はそれは優しさが作品に溢れていることであると思います。

 
 セイの両親は不仲です。

 昔はそうではなかったようですが、今は顔を合わすたびに大きな声を出して口論をします。

 セイは一人で布団に入り、耳を閉ざします。

 「わたしは二人にとって必要ではないんだ」。

 そんな気持ちをもったセイは絶望し、ここではないどこかに行きたいと願います。

 そんな時、手を差し出してくれたのがハナでした。

 ハナが見ている世界はとても綺麗です。

 記憶が一日しか持たないからこそ、今、その瞬間を、全力で味わい、それをカメラで保存します

 そんなハナにセイはどんどん惹かれていき、現状を打開しようともがきます。

 そこまで、セイを導いてくれたのはハナの優しさでした。
 

 「引き上げた先の景色が綺麗かどうかは僕にはわからないけれど、きみのいる世界だもん、きっとどんな場所より綺麗に決まってるはずなんだ。

 ねえ、セイちゃん」

 
 思い悩んでいたのは、セイだけではありませんでした。

 ハナもセイに出会ったことで、大切なものを病気のせいで失いたくない。

 そんな恐怖を持ってしまいます。

 そして、それを救ったのはセイの優しさです。

 「きみがくれたものすべてが、わたしにとっての宝物だよ。

 ハナ、きみのことも」

 「だから怖がらなくていいよ。

 ハナの世界からわたしがいなくなっても、また、何度でも、わたしがハナを見つける。

 これからもずっと、わたしはきみといる」

 正直、僕はけっこう泣き虫です

 映画とか観るとよく泣いています。

 でも、本を読んでいて泣くっていうことはないだろうと思っていました。

 しかし、この本からにじみ出る優しさが僕の手から頭へとのぼっていき、気づいたら涙目になっていました(笑)

 それくらい、この本の優しさは、力を持っています

 テーマやストーリーはありきたりかもしれないけど、それを構成している細部、その積み重ねとしての集積が、この作品を固有のものにしているのではないでしょうか。

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評価:『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』はこんな人におすすめ!

評価

ピュアな恋愛小説を読んで感動したい!

ちょっと最近凹んでて、優しさに触れたい⋯。

青春時代の恋って、どうして切ないんだろう?

あとがき:僕は何度でも、きみに初めての恋をする

 今回は、沖田円さんの作品『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』について感想を書きました。

 これまでの文章を読んで、この本のあたたかい優しさが少しでもあなたに伝わっていれば、幸いです。

 ストーリーはとても読みやすいので、一瞬で読めちゃうと思います。

ぜひご一読を。

♦︎沖田 円(おきた えん)
愛知県安城市生まれ。

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1

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