


か「」く「」し「」ご「」と「(かくしごと) のあらすじ
“か「」く「」し「」ご「」と「”は、「特別なちから」を持つ5人の高校生が紡ぐ、ありふれた日常の物語です。
登場人物

1~5章の物語は、それぞれ5人の視点から語られます。
また、彼らが持っている「特別なちから」の性質は各々、異なっています。
「青春小説×ファンタジー」な展開に目を離せません。
公式PVもあります。
ここから先ネタバレありです。

まず、5人が持つ特殊能力について説明します。
各章のタイトル
- か、く。し!ご?と
- か/く\し=ご*と
- か1く2し3ご4と
- か♠く♦し♣ご♥と
- か↓く←し↑ご→と
タイトルである”か「」く「」し「」ご「」と「”の”「」”(括弧)に入る記号がそれぞれの能力に関わっています。
[京くん]か、く。し!ご?と
まず始めに、京くんの特殊能力は、頭の上に浮かぶ感情の記号(, 。 ! ?)が見えることです。
驚いたり嬉しかったりすると「!」。
疑問に思うことかあれば「?」。
他の4人の能力と比べると1番地味かなあと思います。
でも、それが京くんらしい(笑)
[ミッキー]か/く\し=ご*と
ミッキーの特殊能力は、感情の動き(/ \ = *)が見えることです。
感情の動き
- マイナスの感情(/)
- プラスの感情(\)
- 変化なし(=)
- 常に回転している(*)
わかりやすいですね。
単純なミッキーにぴったりです。
明るくてポジティブな彼女は、他人の「/」を「\」に変えることが大好きです。
ですので、他人に積極的に干渉します。
まれに、お節介と見られることもありますが、本人は気にしないです。
[パラ]か1く2し3ご4と
パラの特殊能力は、人の鼓動とリズムが(1 2 3 4)で見えることです。
自分の鼓動も見えるため、常にそれを平静に保つ癖があり、非常に冷徹な性格だと自分を卑下しています。
また、表面上のキャラクターと内面にもっともギャップがあるのが彼女です。
個人的には、彼女に一番感情移入できました。
[ヅカ]か♠く♦し♣ご♥と
ヅカの特殊能力は、人の喜怒哀楽が(♠ ♦ ♣ ♥)で見えることです。
喜怒哀楽
- ♠(喜び)
- ♦(怒り)
- ♣(哀しみ)
- ♥(楽しみ)
彼の能力はかなり広範囲で使用できます。
また、記号の大小によって、それぞれの感情の深さを知ることができるので、他の4人の能力と比べて、一番クオリティが高いです。
ミッキーと同じように、ヅカは能力を生かして、他人の問題を解決しようとします。
[エル]か↓く←し↑ご→と
最後に、エルの特殊能力です。
エルは、他人の恋心が(↓ ← ↑ →)の向かう方向によってわかるというものです。
他の能力と比べると、用途がかなり限定的だと思いますが、青春小説では、その能力が存分に生かされるんだろうなと思います。
か「」く「」し「」ご「」と「(かくしごと) の感想と考察
5人のキャラクターが持つ能力について、ご紹介しました。
最初、この本を見た時に、「なんでこんなにややこしいタイトルにしたんだろう?」 と疑問でした。
でも、読み終わってみると、遊び心があって、住野よるの発想力はすごいと思いました。
特殊能力がある5人を羨ましいとも思います。
けれど、本人たちにとっては、必ずしも良いことばかりではないでしょう。
他人の心が読めてしまうってある意味、地獄⋯じゃないですか?
自分に向けられるのが好意ならいいですけど、それが悪意だったり僻みだったり妬みだったり嫌悪だったりした時も、はっきりとわかるわけですもんね。
とても、生きにくいと思います。
現在の社会は、対人関係における恐怖感が昔よりも増したような気がしています。
やはり、インターネットの影響が大きいと思います。
コミュニケーションの範囲は広がり、方法や種類もさまざま。
しかも、四六時中スマホをチェックするような時代です。
恐ろしいのは、一度地雷を踏むと、社会的に追い詰められます(いじめなど)。
要するに、世の中に「間違っちゃいけない感」が蔓延しています。
だから、他人の感情を推し量る力が求められ、いわばその極致が本作の特集能力だったりするのではないでしょうか?
一見”か「」く「」し「」ご「」と「”は、ほのぼのとしたストーリーに思えますが、このようなテーマも暗に示しているのではないかとも思います。
邪推かもしれませんが⋯。
背表紙のQRコードから『か「」く「」し「頁』が読める
実は、”か「」く「」し「」ご「」と「”には、サイドストーリーがあります。
本の裏表紙にあるQRコードを見てください。
ここからジャンプすると、“か「」く「」し「頁”というページに移動します。
こんな感じで、各キャラクターにちなんだ5つのクイズが用意されており、正解するとそれぞれの物語を読むことができます。
正解するとこんな感じです。
か「」く「」し「頁
- な、ら。い!ご?と
- つ/き\づ=き*し
- な1か2な3お4り
- あ♠か♦ら♣さ♥ま
- は↓つ←で↑え→と


『か「」く「」し「」ご「」と「(かくしごと)』はこんな人におすすめ!



⇒住野よる全作品ランキングはこちら
あとがき:か「」く「」し「」ご「」と「(かくしごと)
か「」く「」し「」ご「」と「の読書感想文でした。
住野よるの作品の中でもっとも遊び心があります。
さくさく読めるので、未読の方はぜひぜひ読んでみてくださいねー!

こちらもCHECK
-
【おすすめ順】異才「住野よる」の全作品をレビューします!
『君の膵臓をたべたい』で一躍有名になった気鋭の作家・住野よる。「どの本から読めばいいんだろう?」「もっと他の作品も読みたい!」「どんな作品があるの?」という方、必見です。住野よるの”全作品をおすすめ順にランキング”にまとめました。
続きを見る
