


『また、同じ夢を見ていた』のあらすじ
あらすじ
『また、同じ夢を見ていた』の感想文

『また、同じ夢を見ていた』のテーマは、「幸せとは何か?」について考えることです。
主人公の少女は、さまざまな登場人物と出会って、幸せのカタチがそれぞれ違うということに気付き、自分の幸せについて考えます。
少女の口癖「人生とは〜」がやみつきになる
人生には苦いところがあるかもしれない。でも、その器には甘い幸せな時間がいっぱい詰まってる。人は、その部分を味わうために生きてるんだ。
これは、「アバズレ」と呼ばれる女性が、主人公の少女の口癖である「人生とは〜」を真似して、話したセリフです。
作中には、少女の「人生とは〜」というセリフが何度も登場します。
彼女は幼いながらも、とても頭がよく、機知に富んでおり、名言を連発します。
『また、同じ夢を見ていた』を読んでいて、よくこんなに上手な言い回しができるなと、感心しました。
著者である住野よるの言葉遊びのセンスが優れていることが、よくわかります。


クラスメイトに馴染めない少女に共感
主人公の少女は、頭がいいです。
そして、自分が賢いことをを自覚しています。
だから彼女は、学校のクラスメイトのことを見下しています。
僕(筆者)も、小学校に通っていた時は、クラスメイトがみんな宇宙人じゃないかな、と思っていました。
小学生も高学年になると、人間の嫌な部分が徐々に表に出てきて、周りを傷つけるようになります。
そんな彼らを見ていて、僕はどうして人が嫌がることをわざわざするんだろうと、傍観していました。
主人公の少女と同様に、クラスメイトのことを見下して考えていたのです。
当然のように存在する弱い生徒へのいじめ、に対しても傍観して普通にその子と接していたら、ある日には僕が標的になっていました。
思い出したくない過去です。
少女も筆者も、見下していても態度に出さずに、上手に生き抜く。
これができずにいたのは、やはり自分も子供だったからだと思います。
少女は作中、クラスメイトと問題を抱えて、悩んでしまいます。
結局、少女がどう振る舞ったかは、作品を読んでみてくださいね。
幸せについて本気出して考えてみたら
『また、同じ夢を見ていた』を読んで、筆者は「幸せとは?」について本気出して考えてみました。
僕にとっての幸せは、「自分の”居場所”がある」ことです。
自分は、少し子供だったので、学生時代からとても浮いていました。
ただ大学生になると、自由度が増すので、楽しく過ごせました。
しかし社会人になると、学生時代のように再び狭い世界に押し込められ、決まった人たちと上手に立ち回る生活に後戻りです。
僕は、会社を居場所にすることができず、一時期は精神的にかなり病みました。
だから、自分の”居場所“をいつも探していました。
結果的に今は、フリーライターとして自宅で働き、穏やかに暮らしています。
みなさんの中にも、まだ学生の方がいると思います。
うまく馴染めていない人もいることでしょう(不幸なことに小説好きには多い傾向です)。
老婆心ながらメッセージを送ると、自由な大学時代は4年しかありません。
卒業したら、会社は学校みたいなものです。
もし本当にそれが嫌な人は、きちんとどうするか決めましょう。
じゃないと⋯⋯病みます。
『また、同じ夢を見ていた』はこんな人におすすめ!



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あとがき:また、同じ夢を見ていた
『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)の読書感想文でした。
住野よる作品の中でも学ぶべきことの多い作品でしたね。
読んだことがない人は、ぜひ読んでみてください。

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