ファンタジー

■ 【書評】『笑って。僕の大好きなひと』(十和)は気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる

2017年5月10日

『笑って。僕の大好きなひと』(十和)の読書感想文です。

第1回スターツ出版文庫大賞受賞作品。

爽やかで読みやすい本が読みたくて、ジャケットも素敵な、この作品を選びました。

※ほぼネタバレ無し

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『笑って。僕の大好きなひと』(十和)のあらすじ

 冬休み、失恋した環は、家族に嘘をつき、N県の田舎町へ逃避行します。

 雪が降り積もる中、森林で遭難してしまいますが、不思議な少年・ノアと出会い、助けられます。

 どこか懐かしさを感じるノアとの出会いは、環の心にある変化をもたらしました。

 号泣必至の青春小説。

『笑って。僕の大好きなひと』(十和)の書評/感想

 主人公の環は、家族の不仲幼馴染との失恋、という二重苦から逃れるために、昔、家族で行った田舎町へと足を運びます。

 そこで、ノアと出会ったのです。

 ノアという名前は、環が過去に飼っていた犬の名前です。

 少しずつ距離を深めて行く二人でしたが、環は、スキー場でのバイトをしていることになっていたので、7日間しか時間がありませんでした。

 そのことに思い悩む環は、ノアに本当の気持ちを伝えようと決心します。

 その環には、衝撃の結末が待っていました。

 ノアは、不思議だ。

 彼の隣にいるわたしは、心がひどく無防備になる。

 安心するような、なつかしいような…。

 けれど、ちょっと切ないんだよ、ノア。

 名前すらも知らない君の、温もりだけをわたしは先に知ってしまったから。

 ノアに出会うことで、環の考え方は少しずつ変化していきます。

 家族の不仲に対する気持ちも、自分が無理だと決めつけていないか、ちゃんと本当の気持ちを伝えられているのか。

 本書では、「ねじれた気持ち」と表現されるそれを読みほどくことが大きなテーマとなっています。

 失恋に対しても同様です。

 
 この話は、最初読んでいた時は、ただの恋愛小説だと思っていたんですが、段々とファンタジー要素が強くなってきて、その展開には驚きましたが、結末はとても感動的なものでした。

 僕は、ファンタジーとかあんまり読まないんですけど、意外と嫌いじゃないかもなと思いました。

 僕も何かに対して「ねじれた気持ち」を持っているでしょうか?

 答えはYESです。

 それはきっと社会大人に対して。

 社会はどうせ僕を必要としてないから、一人でいるほうがいい

 大人は僕の気持ちを決して理解してくれないから、関わりたくない

 そういった気持ちを自分が持っていないと言い切れるでしょうか。

 どちらに対しても、自分は本当はどういう気持ちを持っているのか。

 本当はどうしたいのか。

 しっかり伝えられていません。

そういったことを考えるきっかけを本書からもらったような気がします。

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あとがき:『笑って。僕の大好きなひと』(十和)

 今回は、『笑って。僕の大好きなひと。』(十和)の感想を書きました。

 スラスラ読めるんだけど、話は感動的で、やっぱり泣けてしまうという良い感じの本でした。

 爽やかで清々しい小説を読みたい方にはオススメです!

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【Pick Up】

1

大学の図書館で働く天然系女子「麦本三歩」。職場の3人の先輩を「優しい先輩」「怖い先輩」「おかしい先輩」と脳内で呼んでいて、和気藹々と働いている。ぼけーっとしている三歩は、何も考えずに生きているようにみえる。しかし実際には、人並み以上に気持ちに対して繊細だったりする。そんな愛らしく憎めない三歩の、のほほんとした日常を大切に紡いだ作品。

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